思考の泡

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2001年宇宙の旅

映画としての「2001年宇宙の旅」の凄いところは、あの映像を1968年に作りあげたということでしょう。

コンピュータの描写一つとっても、今でもギリギリ違和感を感じさせない出来です。まだ液晶パネルすらない時代にあのように先進的な映像を作りあげたキューブリックの感覚の鋭さを思い知らされます。流石にマルチウィンドウこそ出てきませんが、シンプルで分かり易いユーザインタフェースは今でも見習うべきものがあります。

しかし宇宙ステーションとの連絡船にパンナムのマーク付いているのは、キューブリック監督も少し遊び過ぎたかも知れません。まさかその後パンナムが経営破綻してしまうとは。

続編の「2010年宇宙の旅」(映画のタイトルは「2010年」)では、更に大きなミスをしてしまいます。アメリカとソ連の対立を物語の主軸に置くてしまったのです。まさかソ連が崩壊して無くなるとは、流石のアーサー・C・クラーク先生でも想像すらできませんでした。

 

2001年宇宙の旅」の世界では、2001年の段階で人類は月に基地を建設し、人工冬眠技術を確立し、木星まで(小説版では土星まで)有人飛行技術を確立しています。

アポロ11号が月面に降り立ったのは1969年。まさに2001年宇宙の旅」が公開された翌年です。あの勢いで宇宙開発が続けられていたら、2001年に人類は本当に木星あたりまで行っていたかもしれません。