思考の泡

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津軽海峡・冬景色

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昭和歌謡いいですねえ。

一曲選べと言われれば、迷いますが、「津軽海峡・冬景色」を挙げたいと思います。

この曲の凄いところは、冒頭からビジュアルが頭の中でびんびん立ち上がってくるところです。上野駅を発車する列車のシーンに始まり、曲が進むにつれて、津軽のもう嫌になるくらいクソ寒い風景が、経験したこともないのに頭の中に浮かんできます。歴代歌謡曲の中でも最もビジュアルイメージの強い曲ではないでしょうか。

歌詞はほんとんど情景描写だけが続き、心情を歌っている部分はほとんどありません。それでもたぶん恋に破れて故郷の北海道に帰る女の人なんだろうなということが、かろうじて分かります。多くを語らないが故に、逆にそれが女性の心情を強く伝えてきます。完璧に計算しつくされた阿久悠先生の詩の力強さを改めて感じます。

三木たかし氏の耳に心地良いメロディーと石川さゆりの歌唱力(と美しさ)、完璧な組み合わせです。

 

最近こういうズドンと胸に入り込むような力強い曲って無いですね。メロディーばかりどんどん複雑になって、何を言っているのかさっぱり分からないような曲ばかり。まあ自分が年をとって時代についていけなくなったということでしょうか。

おじさんの愚痴でした。